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20130611 センター顧問の前田先生への訪問

回答者:PHP総合研究所主任研究員 前田宏子 先生

訪問日:2013年6月11日 火曜日

訪問時間:16:10-17:00

訪問地:中山大学日本研究センター

Ⅰ、前田先生は以前、中国北京に二年間滞在したことがありますが、この度初めて台湾南部の高雄に来られて、北京滞在の経験に比べると、どう思われまか。

前田先生:

 四ヶ月を過ごして、台湾人の情が厚いと思います。特に南部がそうですね。台湾では、生活環境や習慣など、日本人である私にとって随分安心感があります。それに、台湾人はとても親切だと思います。コンビニや他のお店の店員さんのマナーや接客などもきちんとしていて親切で、今まで台湾を訪ねたことのある友達から聞いた話は本当だったと改めて感じました。商品の質の面でも、台湾製は品質がよくて、また、日本や外国からの輸入品を購入するのも便利です。台湾にいる四ヶ月の間に、不慣れで困ったというところはないです。食べ物については、台湾料理は美味しくて、特に台南の担麺が大好きです

 

 全体的に言うと、中国の北京、上海などの都市部の経済はとても発展していますが、人文素質は台湾に及ぶと言いかねます。また、台湾人は日本人と似ている部分が多く、マナーがよくて、そして恥ずかり屋の人が多い気がします。ただ、日本の都市に住んでいる人は、台湾人の人情厚さに比べると、やや冷たく感じられるかもしれません。中国、台湾、日本はともに経済発展を遂げ、ハードの部分はずいぶん成長しましたし、、たとえば北京人のマナーも十年前よりは良くなりまたが、一般的に言えば、民衆のマナーなどの面で、まだ差があると思います。

 

Ⅱ、将来台湾と日本は交流を促進する際に、どの基準で、どのような方針を中心として進めてよろしいでしょうか。

前田先生:

 台湾と日本は、これまで経済や文化や科学などの分野で、たくさんの交流と相互作用を積み上げてきましたが、時間が経つにつれ、実際に日本政治や経済や文化などをよく知っている方年を召され、そして現在の若者の関心がほとんど日本文化のほうに偏っているがゆえに、台日交流の発展をやや心配しています。台湾の若者に日本政治や経済などについても理解していただき、台日の発展を深めていってほしいと思います。

 台日政府間には公式な関係はありませんが、非公式的な交流のレベルを上げたほうがいいと思います。もちろん、台日の交流において、“一つの中国”原則を無視することはできませんが、両岸関係の変化にも注意を払いつつ、関係を深めていく努力が重要だと思います。

 私が見た限りでは、一般的にいって台湾人は日本に対し好感を持っていてくれる人が多く、そして日本側でも台湾に対し好感を持つ人が多いです。これはもちろんいいことなのですが、最近少し心配しているところもあります。日本人で、台湾に親近感を持つ人の一部は、、その気持ちが反中に根ざしているのではないかという心配です。。台湾に対する見方や考え方は、大陸に対するそれと切り離して考えられるべきです。そうすることにより、より客観的に台湾を観察することができ、日本、台湾、中国の関係を考えることもできるのではないでしょうか。結果的に、その方が台日の関係促進にも役立つはずだと思います。

Ⅲ、前田先生が台湾で客員教授として四ヶ月を過ごされる間、たくさんの学者や先生や学生などと学術的な交流を行いましたが、何か発見やご意見はございますか。

前田先生:

 この度高雄に来れたのは、本当にいい経験でした。日本人研究者の多くは台湾北部で研究を行っているので、台湾人の学者や情報などの交流も北部に偏りがちで、南部との交流があまりありませんでした。今後日本や他の国から来る学者は、南部の学者との交流も増やすべきだと思いますし、そうすることにより更に多元的な台湾を発見できると思います。

また、台湾の学者は日本政治や経済、国情に対して深い理解をもっていると思いました。中山大学で社会科学院の林文程院長、中国及びアジア研究所の顧長永所長と郭育仁先生などの先生方と学術的な交流ができたのも貴重な経験でした。日本研究に携わる郭先生の、日本文化や各種問題に対する理解と分析も肯かされるところが多く、様なご意見をいただきました

 中山大学で四ヶ月教鞭をとっている間に受けた印象は、台湾の学生も留学生も、日本に対しての理解はほとんどがメディアからのものであり、なかには中国発信の情報から影響を受けている例も少なくありませんでした。日本研究に興味がある方には、是非、実際に日本を訪問し、交流し、日本に対する誤解を正して、日本のことをより一層理解していただきたいです。もし日本へ行けなかったとしても、様な情報源や資料から情報を収集していただきたいです。考えることをせず、マスコミの報道を信じてはいけません。授業で交流し議論していくうちに、台湾の学生も留学生も、客観的な見方を有するようになりました。最初はメディアの影響を受けていた学生たちも、丁寧に説明すると、素早い理解力を発揮してくれました。また、学生たちには、できるだけ英語能力ないし日本語能力を伸ばしていただきたいと思います。そうすれば、メディアと言語の障害を乗り越え、直説原文の文献を読むことができ、さらに日本という国を理解することができるからです。

 最後に、この場を借りて日本交流協会と中山大学日本研究センターで短期学術交流をサポートしてくださった方に改めて感謝申し上げます。中山大学に客員客座教授として赴任したことは、良い経験となりました。中山大学の美しいキャンパスで、四ヶ月の間にたくさんの学者や学生と知り合い、色な台湾料理を食べられて、本当に楽しかったです。日本に帰ったら、日本PHP総合研究所も中山大学日本研究センターと喜ばしい学術関係を結びついて、台日の関係を深めて行きたいと望んでおります。

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