未来工学研究所研究参与・西山淳一先生からの寄稿:「台湾訪問記」
台湾訪問記
2013年11月26日
公益財団法人 未来工学研究所
研究参与 西山淳一
中山大学の國際研討會シンポジウム「安倍新政與挑戰-政經改革與外交策略」に招かれ初めて台湾を訪問する機会を得た。
今回の機会を作って頂いた林文程センター長および郭育仁先生に感謝したい。
初めての台湾の印象は3つの言葉に要約されると思う。
それは「安全・親日・温和」である。
「安全」
2013年11月1日(金)、家内と二人で台北・松山空港へ降り立った。羽田から3時間、国内と言っても良いくらいの近さだ。
台北・松山空港で外へ出ると結構暑く、まだ夏という感じだった。郭先生の教え子の一人が空港まで迎えに来てくれ、台北駅まで車で案内してくれた。
台北駅に着き、駅の構内を見渡す。アメリカやヨーロッパで感じるあの緊張感がない。物騒な感じがしないのだ。平穏という雰囲気だ。
台北から台湾高速鉄道で高雄・左営駅まで行く。ちょうどお昼頃であり、勧められて売店で駅弁を買う。これも日本と同じだ。
発車時刻となり新幹線に乗り込む。
最初に驚いたのは車両に入ると手荷物置き場があることだ。置き場があるということは荷物を置いても安全ということだ。とはいえ大丈夫だろうなと思いながらスーツケースを置く。時々気にしながら見ていたが、他の乗客も置いている。
自分の目が届かない車内に荷物を置いていても無くならないのは世界で日本と台湾くらいであろう。
「親日」
中山大学の日本研究センターでは日本が研究の対象になっており、日本に留学した人も多い。主として米国、ヨーロッパとビジネスをしてきた私にとっては日本が研究対象となっていること自体が驚きだった。
街に出て看板を見ると簡略した漢字を使っていないので読める漢字が多い。ほとんど意味がわかると言ってもよい。外国に来たので英語が良いだろうと思って話しても日本語で返事が返ってくる。買い物程度なら、日本語で済んでしまうだろう。
街の雰囲気は中国的だし、特にお寺の造りは日本と違いきらびやかでかなり違うが、お線香を上げてお参りするのは、日本と同じと思った。元々中国から入ってきた風習なので当然といえば当然であろう。
高雄の街を案内してもらった。
スタートレック展が開催されており、楽しませてもらったが、その他にドラえもん展が行われており、沢山の人が並んでいた。これ一つを見ても日本文化への親しみ、親日的ということが分かる。高雄市のナイトマーケットではドラえもんの「どら焼」を売っていた。
台南で夜、赤嵌樓を見学した。
青いライトで照明されており、幻想的な雰囲気であった。
この建物はオランダ人が建設したものである。その後、鄭成功がオランダを破ることで台湾統治に至るわけである。庭には鄭成功に頭を下げるオランダ人の像が立っていた。そして、この建物の中に日本人の銅像が据えられていた。日本語の説明もあり、日本人最後の市長である羽鳥又男氏であるとのこと。このような歴史的建物の中に日本人の銅像を置いておく、これも親日の証と感激したのである。
「温和」
レストランで食事をした時の印象をとると騒々しいという感じがしなかった。沢山の人がいておしゃべりしながら食事をしているので当然賑やかである。しかしガンガンとうるさいという感じが無いのである。言ってみれば日本の居酒屋の賑やかさというところであろうか。
新幹線に乗ってもみんな静かであったし、駅の喧騒も日本と同レベルという気がした。むしろ東京に比べると人が少ないだけ静かであったろうか。
これは島国という国民性の共通点なのかと思った次第である。
初めての台湾はなんとなく想像していた台湾とは違う印象を与えてくれ、非常に身近な存在になった。
コンフェレンスの討議内容には直接関係のない印象記を記させてもらったが、このような研究活動を通して、日台の友好関係がさらに深まることを期待する。
末筆ながら、今回、最初から最後までお付き合いいただき、案内して頂いた林怡利さんとその支援をして頂いた陳鼎尹さんには特に感謝を申し上げたい。
以上

